テニスセルフジャッジ超解説

日本テニス協会公認審判員がルールを解説してきます。

53 ラオニッチがイライラ。ジョコビッチのコンタクトレンズ問題(2020全豪)

2020全豪オープンのジョコビッチvsラオニッチの試合で、ジョコビッチのコンタクトレンズについてラオニッチが抗議する場面がありました。

まず初めに:JTAルールの場合

コンタクトレンズについてのJTA(JAPAN TENNIS ASSOCIATION)ルールは下記の記事で述べております。一般やジュニア大会ではこのルールが採用されています。しかし、今回の四大大会ルール問題とほぼ同じなので、お先にこちらの記事をご覧になった方がより理解が深まると思います。

aaatennisrule.hatenadiary.jp

ジョコビッチvsラオニッチ戦での出来事

第3セットのゲームカウント4-4になった際、ジョコビッチはコンタクトの不調を訴え、試合を中断してコート外へコンタクトの調整に行きました。

⇓⇓英文記事 記事内に動画があるので様子はわかります。

wwos.nine.com.au

解説①ラオニッチの主張

"It’s kind of bulls**t."

「ばかげたことだ」

“Is that allowed?

「(コート外へコンタクトを取りに行くことは)許されているのか?」

“So I could tell you I have contacts and do it too?”

「じゃあ俺がコンタクトを持っているといえば(コート外へコンタクトを取り行くいくことが)できるのか?」

 "I don't have contact lenses but I could just say I do to go off court."

「俺はコンタクトを持っていないが、コート外へ行くために(コンタクトを)持っていると言えるじゃないか」 

※一部内容を省略してます他にもラオニッチは「チェンジコートまで待つべきだろ」、「チェンジコートまで彼は待てなかったのか?」なども述べていました。確かに、自分のサービスゲーム直前に数分間も時間を取られたら気になってしまいますね。

 

解説②コンタクトレンズに関する国際ルール

"if a player is using contact lenses or glasses in their match, this is considered necessary equipment—therefore players are granted necessary time to adjust their optics should they become compromise."

「もし選手がコンタクトレンズやメガネを試合中に使用している場合、これは必要な用具と見なします。そのため、選手にはコンタクトを調整するための必要な時間が認められています」

 

解説③ジョコビッチの試合後の謝罪

"I want to apologise to Milos once again because it is not definitely something you see often, that a player goes (off court)." 

「ラオニッチにもう一度謝罪したい。選手がコート外へ出ることはあまり見られないからね。」

"It was not intentional or tactical but it was something I had to do. Those few games I really I couldn't see much."

「これは故意でも戦略的でもない。しかし、数ゲームは全く目が見えなかったから、私にはやむを得ない出来事だったんだ。」

※一部内容を省略しています。

 

解説④個人の意見

ルール上、ジョコビッチの行動は問題ありません。なぜなら、コンタクトが不調かどうかは客観的にわからず、本人の申告次第になります。ジョコビッチが「ラオニッチのサービスゲーム前に悪用した」という説もあります。しかし、本当にコンタクトが不調な状態でラオニッチのサービスゲーム(最速250km)をレシーブすることはもやは危険な行為なので、ジョコビッチの行動は正当な範囲だと感じます。

 

解説⑤最後に:ジョコビッチについて

前回の抗議内容に引き続き、ジョコビッチについてあまり印象の良くない記事を書きました。しかし、彼は四大大会優勝17回(歴代3位)を誇る名選手です。また、慈善事業にも取り組んでおり、2007年に恵まれない地域社会の子供たちが安全に育つことができることを目的としたノバク・ジョコビッチ財団を設立しています。そして、2010年に財団は世界銀行と協力してセルビアの幼児教育を推進しています。その結果が認められ、2015年にはユニセフ親善大使に任命されています。

時々コート内で感情が爆発し、叩かれてしまう選手ではありますが、この素晴らしい実績を忘れないでほしいです。


French open in the rain with Novak Djokovic - Roland-Garros 2014

 

次回「ヒンダランス」 

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