テニスセルフジャッジ超解説

日本テニス協会公認審判員がルールを解説してきます。

⑫1セットマッチでもトイレットブレークは可能?

本日はトイレットブレークについて!お腹の弱い選手の皆様必見です!

※長くなってしまったので、お時間がある時にお読みください! 

【重要】

2020年度より一部ルール改正されました。最新版は下記の記事をご覧ください。

aaatennisrule.hatenadiary.jp

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トイレットブレークの基本(1セットマッチ用)

1セットマッチでも、ルール上、トイレットブレークは可能ですが、状況に応じて細かいパターンがあります。まずは基本ルールを解説します。

 

解説①トイレに行くタイミング

1セットマッチのトイレットブレークはロービングに伝えた場合、自分たちのサービスゲームの前なら行くことは可能です。

 

解説②回数と時間

1セットマッチは1試合で1回のみトイレットブレークが可能です。ダブルスの場合はペアの片方がトイレに行けば、1回とカウントされます。ペアで同時に行っても1回です。

トイレの時間はルールブックに「理にかなった時間」としか書かれていないので、時間はロービングの判断になります。

※ルールブックでは5分~15分が望ましいと記載されています。

 

これがトイレットブレークの基本ルールです。

 

緊急(漏れそう)の場合

我慢できない!今すぐ行きたい!

でもカウントは相手サーブの15-15だけど、どうしたら良いのーー!!!!

 

もちろん、トイレは行けますw

 

解説③相手サービスゲーム中にトイレに行った場合

「自分たちのサービスゲームが始まる前までのゲームを落とす代わりに、正式なトイレットブレークを取れる」

と覚えてください。 

 

コードバイオレーション

理想はトイレに行く前にロービングに言うことですが、言う時間もないほど我慢できない場合はすぐトイレに行ってください。対戦相手の方はロービングを呼んでください。

 

ロービングに無断でトイレに行った選手はコードバイオレーション(1回目警告)を科されますが、漏らすより良いですw

※ ロービングの許可なくコートを離れてはいけないというルールがあるので、それに違反するためコードバイオレーションとなります。

 

タイムバイオレーション

相手のサービスゲーム途中にトイレに行った場合、試合は継続します。つまり、サーブを打つ時にレシーバーが構えていないことになるので、ポイント間20秒経過毎タイムバイオレーションとなります。(ルール上ポイント間が20秒のため)

※タイムバイオレーション…ポイント間20秒、チェンジコート間90秒、セット間120秒以内にポイントを始めなかった場合、最初は警告、警告を受けてからそれ以降も違反すると、違反する度に失点

 

解説④緊急の場合の現実的なルール

正直、トイレから40秒などで戻ってくるのは不可能だと思いますので、

「自分たちのサービスゲームが始まる前までのゲームを落とす代わりに、正式なトイレットブレークを取れる」

と考えてもらって大丈夫です。

 

例1:相手サービスゲーム中にトイレに行った場合どうなる?

A 2-2(15-15)B

Aのサービスゲーム中

Bはレシーブ

この時にBがトイレに行った場合Bはこのゲームを落とします。そして、トイレから戻ると「A3-2B」となり、Bのサーブから始まるということです。

 

例2:自分のサービスゲーム中にトイレに行った場合どうなる?

・ゲームカウント2-2(30-15)

・自分のサーブゲーム中

 

この時にトイレに行きたくなった場合もトイレに行けますが、次の自分たちのサービスゲームが来るまで20秒経過ごとにポイントを失い続けます。

※先程述べた通り、トイレに行く前はロービングに申告することが理想です。

 

A 2-2(30-15) B

Aがサーブ

Bがレシーブ

 

この状況でAがトイレに行った場合

 

20秒経過(タイムバイオレーションが1回目なので警告のみ=スコア変動なし) 

A 2-2(30-15) B

Aサーブ Bリターン

 

さらに20秒経過(2回目以降のタイムバイオレーションなのでA失点)

A 2-2(30-30) B

Aサーブ Bリタ―ン

 

さらに20秒経過(2回目以降のタイムバイオレーションなのでA失点)

A 2-2(30-40) B

Aサーブ Bリターン

 

さらに20秒経過(2回目目以降のタイムバイオレーションなのでA失点)

A 2-3 B

Aリターン Bサーブ

 

「チェンジコート」 

 

90秒経過(チェンジコートの時間)

A 2-3(0-15) B

Aリターン Bサーブ

 

もしこのタイミングでAがトイレから戻ってきたら、

A 2-3(0-15) B

Aリターン Bサーブ

 で再開します。

  

解説⑤細かいルールを覚えることが面倒な場合

1回トイレに行くとそれなりに時間がかかる上に細かいルールを覚えるのが面倒な場合は先程述べた通り、

「次の自分たちのサーブゲームが始まる前までのゲームを捨てる代わりにトイレに行ける」

と考えてもらって大丈夫です。

 

つまり、例②をざっくり述べると

A2-2(30-15)B

Aがサーブ

Bがレシーブ

 

この状況でAがトイレに行くとAがトイレから戻ってきたらゲームカウントA2-4BAのサービスゲームから再開します。

Bはサーブを打たずして、キープしたことになります。

 

チェンジコートの間にトイレに行っても良い? 

解説⑥チェンジコート後のサーブが自分の場合

大丈夫です。トイレットブレークの基本ルールに準じて、トイレに行くことができます。

 

解説⑦チェンジコート後のサーブが相手の場合

チェンジコート90秒を経過すると、タイムバイオレーションで警告。そこから、自分のサービスゲームが始まる前までに戻ってこれなければ、20秒経過毎に失点します。

※チェンジコートの時間は90秒 

※コートを離れる前のロービングへの申告は必須

 

解説⑧チェンジコート中にトイレに行った場合どうなる?

A2-3B

・チェンジコート中

 ・次はBがサーブ

 

この状況でAがチェンジコート中にトイレに行った場合は、

 

90秒経過(最初のタイムバイオレーションなので警告のみ)

A 2-3 B

 

さらに20秒経過 

A 2-3(0-15) B

Aレシーブ Bサーブ

 

さらに20秒経過

A 2-3(0-30) B

Aレシーブ Bサーブ

 

このタイミングでAがトイレから戻ってきたら

A 2-3(0-30) B

Aレシーブ Bサーブ

 

のスコアから再開します。

 

チェンジコート後のサーブが自分たちの場合は、問題なくトイレットブレークを取れます。

 

注意事項

解説⑧2回目以降のトイレットブレーク

1セットマッチではトイレットブレークが1回しか認められていないので、2回目以降は自分のサービスゲームが始まる前に行っても、ポイント間20秒経過毎にポイントを失います。

 

解説⑨ ローカルルールでは適用されない場合も…

解説しているこのルールはJTAルールなので、一般のローカル大会では「トイレくらい気長に待ってあげましょう」と言われるかもしれません。運営側の判断です。

※JTAルールが採用されてる大会かどうかは大会要項、もしくは大会運営に確認してください。基本的に一般の大会では「JTAルール+ローカルルール」が採用されています。

 

 

解説は以上になります。 

試合前の体調管理はくれぐれもご注意ください!

 

次回「錦織 vs カレノ・ブスタ ぶち切れシーン解説」 

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他の体調不良シリーズはこちら⇓⇓

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