テニスセルフジャッジ超解説

日本テニス協会公認審判員がルールを解説してきます。

㉖ダブルスのポイント間長すぎ問題

【重要】

2020年度より、ポイント間の時間が25秒に改正されました。以下の内容で、ポイント間が20秒と記載されている部分は25秒としてお読みいただくようにお願いします。

全体的な結論

「ボールを拾いに行っているなどのやむを得ない理由以外で、ポイント間20秒を経過した場合はタイムバイオレーションです。」

(セルフジャッジの試合&ボールパーソンはいない状況とします

 

解説①JTAルールの観点から解説

ルールブックの記載内容

ポイント間に関して、ルールブックに記載されている内容は次の3つです。

 

(1)アウトオブプレーになった瞬間から、次のポイントの第1サーブを打つまでの時間は最長20秒とする。

 

(2)スローペースのプレー(20秒、90秒、120秒ルールの違反)に対しては、タイムバイオレーションが科される。

 

(3)レシーバーはサーバーの理にかなったペースに合わせ、サーバーがサーブしようとする時までに、返球の用意をする。

※タイムバイオレーション…1回目警告、2回目以降失点 

※120秒…セット間の休憩時間

 

セルフジャッジの現状

まず(1)の通り、ポイント間は20秒とルールで定められていますが、ボールパーソンがいない状況で順守することは不可能です。

 

そのため、ボールパーソンのいないセルフジャッジのポイント間は(3)の「理にかなったペース」でサーブやレシーブを構える必要があります。ちなみに、理にかなっているかどうかはロービング判断です。

 

ルールブックに記載されている内容はここまでになります。

 

「正直、抽象的過ぎて全く理解できません」

 

そのため、ここからは私の経験より、

「セルフジャッジの試合でポイント間20秒について何をしたら違反になるのか」を述べます。※ここから先はルールの解釈の話になってしまうので、大会によって解釈が異なる可能性もあります。

 

解説②大会運営目線から解説

タイムバイオレーションを科す条件

ボールパーソンがいないからと言って、ポイント間を長々と使って良いわけではありません。そのような悪用を取り締まるため、ダブルスでタイムバイオレーションを科す2つの条件があります。⇓⇓

 

・サーバー側がボールを2球とも持っている

・2人とも下記画像の青線範囲内にいる

f:id:aaatennis:20200103105754j:image

この状態でポイント間20秒を経過すると、タイムバイオレーションを取ります。なぜなら、先程説明したルールブックに記載されている(3)「理にかなったペース」に違反しているのと、選手からの反論を通用させなくさせるためです。

 

選手からの反論

例えば、ダブルスのポイント間が長いことを注意すると 、

「ボールを拾っていたから20秒経過した!!」

とよく言われます。そのため、私はこの反論をさせないためにも必ず先程述べた2つの条件が揃ってから20秒数えます。

ボールはすでにサーバーが2球とも持っている

・上記画像青線範囲内にサーバー側が2人ともいる

※この範囲は「遠くまでボールを拾っていたから20秒経過した!」という反論をされないために考えた私が決めた範囲です。ルールブックには記載されていません。

 

この2つの条件が揃った状態から20秒経過すれば、故意に相手のプレーを遅らせ、「理にかなったペース」に違反していると判定せざるを得ません。

※大会によってはもっと厳しくポイント間20秒を測る方もいます。

 

解説③ロービングが呼べない大会の場合

自分たちで対応するか諦めるしかありません。

 

例えば、私の場合

「ポイント間が長すぎます」

「ポイント間は何秒かご存知ですか?」

と相手に質問して後は諦めます。

 

ロービングが呼べる大会で、もし相手のポイント間が長ければロービングを呼んで見てもらいましょう。 

※ロービングを呼ぶ具体的な方法は過去記事参

aaatennisrule.hatenadiary.jp

 

 

おまけ:プロのタイムバイオレーションの例 


Rafael Nadal Vs Dimitrov Time Violation

※四大大会のポイント間は25秒です。

  

次回「ダブルスでレシーブサイドを変えても良い時がある?」

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