テニスセルフジャッジ超解説

日本テニス協会公認審判員がルールを解説してきます。

㉚2/2レシーバーパートナーがサービスコートに足をいれてくる

前編がまだの方は前編からお読みください。

aaatennisrule.hatenadiary.jp

 

今回の記事では、サービスを打つ前からレシーバーパートナーがサービスコートに足を入れておいてサーブを打つ直前に足をサービスコートから出すパターンを解説します。

結論

妨害目的で行っているならダメ。しかし、サービスモーションによって立ち位置を変えているならOK。

 

なぜこのような曖昧な答えになるのかを解説しますが、その前に

「サービスを打つ前からレシーバーパートナーがサービスコートに足を入れておいて、サーブを打つ直前に足をサービスコートから出すパターン」

の流れを確認します。

 

「足を入れてくるレシーバーパートナ」を画像で確認

サービスを打つ前のレシーバーパートナーの位置⬇︎⬇︎

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サービスモーションに入った直後⬇︎⬇︎

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サービス前から足をサービスコート内に軽くて入れておいて、サービスを打つ直前に元の立ち位置に戻る。

皆さんが遭遇するとしたらこのケースが多いと思います。

 

解説①2つのルールの対立

実はこれロービングでも判断が難しいです。

なぜなら、この行為は2つのルールがぶつかっている上に解釈が難しいからです。

 

「レシーバーパートナは必要以上の動きでサーバーのモーションを故意に妨害にしてはならない」(ルールブック2019)

      VS

「レシーバーパートナーは自分たちのコート側であればどこに立っても良い」(ルールブック2019)

 

ルールブックにはこの2つのルールが記載されています。しかし、記載されている「必要以上の動き」がどこまでが必要な動きなのか記載がないため、判断が難しいのです。

 

解説②現状

正直、ほとんどの選手がサービスモーションの妨害をするためサービスボックスに足を入れています。そのため、ロービングによっては「妨害目的でサービスボックスに足を入れているからダメ」と決めつけている方もいます。

 

解説③ルールの抜け穴

しかし、レシーバーのパートナーが足を合法的にサービスボックスに踏み込める理由がこちらです。

 

「私は相手のサービスモーションによって立ち位置を変えているだけです。相手はセンターにボレーを打ってくるので、それをカバーするためにサービスコート内に立っているだけです。しかし、ボレーをワイドに打たれる可能性もあるので、ワイドもカバーする必要があります。そのため、相手のサービスモーションによっては立ち位置を変えています。レシーバーパートナーは自分たちのコート側であれば、どこに立っても良いとルールで認められているはずです。

 

このようにレシーバーパートナーに主張されてしまうと、反論が難しいです。

 

解説④私(ロービング)が対応する場合:2つの質問

 ※ここからは私の意見です。

私がこの問題に対応することになったらレシーバーパートナーに直接下記の質問をします。

 

Q.あなたがサービスボックスに足を踏み入れる目的はABどちらですか?

A.サーバーの気を紛らわせるため

B.サーバのモーションによって立ち位置を変えているため

 

この答えによって判定を変えます。

 

解説⑤Aと答えた場合

レシーバー側がAと答えた場合は、レシーバー側が「故意にサーバーのモーションを妨害」しているため、ルール違反であることを伝えます。

 

解説⑥Bと答えた場合

レシーバー側がBと答えた場合は、サーバー側にレシーバー側の必要な動きであると伝えます。

 

もし「特に理由はない」、「何となく」と答えた場合は、

『「サーバーからサービスモーションを故意に妨害されている」と申告があったので、しばらく動きを見させてもらいます』

と伝え、相手の動きの程度をみてから判定します。

 

解説⑦ロービングがいない場合

この問題についての最終判定権はロービングにあります。そのため、ロービングがいない大会では相手に直接「サービスモーションの妨害が目的で足を入れているのですか?」と質問してみても良いかと思います。

もし「はい」と答えられたらルール違反だと伝えましょう。

「いいえ」と答えられたら「こいつはルールを知ってやがる…」と心の中で称えて諦めましょう。

 

解説⑧注意点

このルールは繊細で人によって答えがよく違います。そのため、大会運営側によっては、認めたり禁止したりする可能性があるので注意が必要です。

 

まとめ

サービスモーション前からサービスコート内にレシーバーパートナーが足を入れておき、サービスモーションが始まると足を出す(通常の位置に戻る)行為は

・サービスモーションの妨害が目的…ルール違反

・サービスモーションによって守備位置を変更…合法

となります。

 

次回「試合中にコンタクトレンズをなくしたら?」

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