ヒンダランス(妨害行為)については「初めて聞いた」」という声が多かったので、特集します。
↓↓先にこちら記事を読んでからの方がより理解が深まると思いますので、まだお読みになったことのない方はこちらから先にご覧ください。
ヒンダランスとは
ヒンダランスとは、「妨害」という意味の反則行為です。
・インプレー中に故意に対戦相手のプレーを妨害…失点
・インプレー中に無意識に相手のプレーを妨害(落とし物など)…レット 。しかし、2回目以降は故意と見なされ、失点。
※落とし物については⇓⇓参照
ルールブックに記載されている内容は以上なので、ここからは具体的な例を用いて解説します。
解説①故意の妨害:相手が打つ時に大声を出す
Serena Williams Hindrance (Final) - Australian Open 2015
一般やジュニア選手でも時々ポイントが決まる前に「決まった」と思って、「カモン!」と叫ぶ方がいるので、知っていると役に立つルールです。
Robin Haase loses point for hindrance in hilarious fashion during the Prostejov Challenger
↑↑Robin Haaseの場合は相手が打つ時まで大きな声を出しているので、相手のプレーを妨害しているとみなされました。
解説②よくある主張
『「カモン!」は相手を妨害しようと言ったわけではない』と主張する方もいます。もちろん、わざと妨害しようとするつもりではないことは審判も理解しています。しかし、それを許してしまうと、「わざとじゃなかったら相手が打つ時に何でも叫んで良い」ことになってしまいます。そのため、相手を妨害するつもりはなくても、相手が打つ時に「カモン!」と叫んではいけないのです。
※相手が打つ時に故意に大声を出すことがNGですが、大声の定義はルールブックに記載されていないので、セルフジャッジで揉めた場合はロービング判断です。
解説③相手が打つ時に故意に音を出す
Maria Sharapova vs Maria Kirilenko hindrance call
キリレンコがラケットを地面に叩いて、わざと音を出しています。この行為はわざと音を出して、相手の集中力を奪っていると解釈せざるを得ません。
※スプリットステップをしたことによるシューズとハードコートの破擦音などは妨害に含まれません。なぜなら、プレーをする上で自然に発生する音だからです。あくまでもプレーに関係のない音や声を「故意」に相手が打つ時に発生させると妨害故意と見なされます。
解説④相手コート内に侵入
Troicki Jumps The Net Miami 2016
相手コート内へ自分の体やラケットが侵入すると、妨害行為となって失点です。このルールがないと、ダブルスの試合中などにペアの片方が相手コートまで侵入して相手プレーを妨害して良いことになってしまいます。
解説⑤ペアに「見逃せ!」のつもりで言った「アウト」
これもヒンダランスに該当します。なぜなら、「アウト」と声に出すということはジャッジをしたことと同じになり、相手のプレーに影響が出る行為だからです。
↓↓詳しくはこの記事で解説
解説⑥セルフジャッジでヒンダランスをコールする場合
もし自分が打つ時に、対戦相手から妨害行為があった場合は、プレーを直ぐに止めて「ヒンダランス」とコールしましょう。そして、高確率で揉めるのでロービングを呼んで判定してもらうことになります。
解説⑦ヒンダランスの注意事項:ポイントを直ぐに止めること
ポイント終了後の抗議は無効です。ポイント中にヒンダランスに該当するケースが起こっても、プレーを継続した場合には最終的にポイントを取った選手のポイントです。つまり、インプレー中のヒンダランスはなかったことになります。そのため、インプレー中に大声などで相手からプレーを妨害された場合は、プレーを直ぐに止めて「ヒンダランス」とコールしましょう!
解説⑧ヒンダランスの注意事項:ロービングを呼ぶこと
ヒンダランスの最終判定権利はロービングにあります。そのため、ヒンダランスかどうかで揉めた場合はロービングを呼んで状況を説明するしかありません。つまり、流れとしては
・インプレー中にヒンダランスに該当するケースが起こる
・プレーを直ぐに止めて「ヒンダランス」とコールする
・対戦相手が納得→自分のポイント
・対戦相手が納得しない→ロービング判断
という流れになります。
※高確率で相手は納得しません。
解説⑨ロービングがいない大会の場合
大会運営側に判断してもらいましょう。なぜなら、ヒンダランスで揉めた場合の最終判定権利は選手にないからです。
次回:ペアに「ストレートケア!」と言うと失点!?
[rakuten:ptennis:10003109:detail]
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