テニスセルフジャッジ超解説

日本テニス協会公認審判員がルールを解説してきます。

116 抗議による相手コート内への侵入

※本日の解説はハードコート、オムニコートを前提とします。

 

セルフジャッジで相手の判定に納得ができない場合、相手コートに入ってボールマーク(跡)を確認したいと思います。

 

ジュニアテニス選手のタイラーちゃんも相手コート内にボールマークの確認に行ったら、コーチから「失格になるよ!」と注意されたそうです。

tylertennis.hatenablog.com

⬆1000記事おめでとうございます!

一旦ブログを妥協しかけた私からすれば、継続力の凄さがわかります。

 

話はそれましたが、本日はコート内に侵入しての抗議がルール的にどうなのかを解説します!

結論:相手コート内に侵入しての抗議はルール違反

ボールマーク確認のために、相手コート内に侵入することはルール違反です。

⬆はJTAルールブックにも記載されています。

 

もし侵入した場合、スポーツマンシップに反する行為として、コードバイオレーションを科されます。

 

※JTAルールブックには、「ボールマーク確認で相手コート内に侵入する=コードバイオレーション」と直接的に明記されてはいません。しかし、何もペナルティがなければ悪用し放題なので、「スポーツマンシップに反する行為」として警告を与えるのが妥当なのです。

 

コードバイオレーションの復習①ペナルティ

そもそもコードバイオレーションとは、スポーツマンシップに反する行為などに対する罰則です。例えば、暴言やラケット破壊などもコードバイオレーションとなります。

 

コードバイオレーションを科せられた場合、次のような罰則があります。

 

1回目:警告

2回目:ポイントペナルティ

3回目:ゲームペナルティ

4回目:審判が失格かどうかを判断

 

※下記のような人に危害を加える悪質な行為は故意でなくても、1回目から失格となります。 


Denis Shapovalov hits chair umpire in the face and gets disqualified || DAVIS CUP 2017 ||

 

コードバイオレーションの復習②判定の権利

ちなみにセルフジャッジの試合において、選手にコードバイオレーションを科す権利はありません。

そのため、ロービングを呼びましょう。

 

コードバイオレーションについては、下記の記事で詳しく解説しています。 

aaatennisrule.hatenadiary.jp

 

裏を返せば…

1回目のコードバイオレーションは「警告」なので、警告を受ける代わりに相手コート内にボールマークを確認しに行く、という手段もあります。

 

相手 

「ボールマークの確認で相手コートに入るのはコードバイオレーションですよ」

 

自分

「1回目は警告のみなので、警告受ける代わりにボールマーク確認しますね」

 

とかやっちゃだめですよ!!!!

 

良い子は真似しないでくださいね!!!

 

百害あって一利なし

相手コート内にボールマークを確認に行く行為に関して、メリットはありません

 

なぜなら、オムニコートで明らかにインのボール跡が残っていても、ルール上は対戦相手の「アウト(フォールト)」判定が採用されるからです。そのため、判定もインに覆らない上に、自分には「コードバイオレーション」という警告が科せられるので、メリットはありません。

あと、テニス界は狭いのでそのような悪い行動をした場合、すぐに噂は広まるので、やめた方が良いです。

 

冷静になって、ロービングを呼びましょう。

aaatennisrule.hatenadiary.jp

 

失格になる可能性は?

ほぼありません。

 

「失格にならない」と断定しない理由は、抗議があまりにも執拗や乱暴であり、ロービングの指示にも従わない場合は【失格】の可能性もあるからです。しかし、ボールマークの確認に行くだけで失格になることはまずありません。

 

タイラーちゃんのコーチは「相手コートに入っての執拗や乱暴な抗議をやり過ぎたら、失格になるよ!」と注意するのが正しい指摘でしたが、 「相手コート内に入ってはいけない」と強く印象付けるには、多少、大袈裟に指摘するのも有りかなと思います。

 

コート内で侵入抗議映像(プロの試合)

トロイツキ


Kad se svadja Viktor Troicki!

 

カメラにまで確認してもらう有名なシーンです(^_^;)

 

ヒンギス

 ⬇55:30〜


Steffi Graf vs Martina Hingis - Final | Roland-Garros 1999

 

インプレー中に相手コートに侵入した場合

インプレー中に相手コートに侵入した場合、故意の妨害行為(ヒンダランス)として失点となります。

 

トロイツキの侵入


Troicki Jumps The Net Miami 2016

 

 ちなみにヒンダランスは下記の記事で解説

aaatennisrule.hatenadiary.jp

 

例外ケース(クレーコート編)

セルフジャッジの試合ではクレーコートで相手コート内に入り、ボールマークを確認しても構いません。

 

詳しくは下記の記事で解説しています。

aaatennisrule.hatenadiary.jp

 

まとめ

セルフジャッジの試合で、相手コート内に侵入して抗議をするのはおすすめしません。スポーツマンシップとかではなく、テニス界は狭いので、そのような自分の悪い行動はすぐに広まるからです。

 

トラブルは必ずロービングを呼びましょう。

 

バナークリックのお願い

⇓良ければバナーのクリックお願いします!

実はバナーをクリックするだけでブログの順位があがるのです。笑 


テニスランキング

 

⇓⇓最新ルールブック発売中

おすすめ記事

aaatennisrule.hatenadiary.jp

aaatennisrule.hatenadiary.jp

aaatennisrule.hatenadiary.jp

THANK YOU FOR READING.

⇓⇓是非読者登録、またはSNSでの拡散お願いします。