今回はセルフジャッジの大会におけるロービングアンパイアの仕事とに７つの苦労を述べます。ルールの解説はあまりありませんが、この記事を通じて大会運営側の苦労が伝われば幸いです。
ロービングアンパイアの仕事
コートの周りを巡回し、選手同士のトラブルの仲裁に入ることが主な仕事ですが、大会本部にスコアや試合結果の報告もします。なぜなら、「なぜか1番コートだけ接戦が多く、2番コートはすぐ試合が終わる」ような状態が続けば、試合進行に偏りが出るので控えに入っている試合を他のコートに移動する必要があるからです。ジュニアの大会ではコート１６面以上使って１日に１００試合近く行うケースもあるので、効率的な試合進行が大切になります。
※本部への報告はトランシーバーか携帯で行います。
ロービングアンパイアの苦労
一般の大会に出ている選手からすれば、普段ロービングのような大会運営側がどのような苦労があるのかわからないと思いますので簡単に述べます。
苦労１：朝が早い
ロービング等の大会運営側は当然選手よりも早く集合し、大会の準備を行います。
具体的に、全てのネットの高さを測り、スコアボードの設置を設置します。シングルスの大会であれば全ての使用コートにシングルススティックを設置します。
苦労２：担当コートが多い
大会によっては１人で４～6面を見る必要があります。そのため、複数コートで問題が同時に起きた場合は対応できません。本部からトランシーバーで要請して応援に来てもらうか、1人で迅速に対応するしかありません。
苦労３：オーバールールはもの凄く緊張する
オーバールールとは選手の判定を覆すことです。よくあるのはセルフジャッジの試合で選手が「アウト」とコールしたことに対して「イン」と判定を覆すことです。
特にジュニア選手の試合でオーバールールをすると、泣かれてしまう可能性もあるので心が痛みますが、選手の要望で試合を見ている以上ただ黙って試合を見ているわけにもいきません。
※オーバーコールという人がいますが、ルール上の正しい表記はオーバールールです。
苦労４：遠いラインの判定はわかるわけがない
選手からの「相手のジャッジがおかしいので見ておいてほしい」という要請で、コートのすぐ近く（審判台付近）に立って試合をみるケースです。しかし、際どいボールはアウトかインなんてはっきりとわかるわけがありません。特に、自分から遠いラインの際どい判定なんて絶対わかりません。選手から「しっかり見といてくれよ」というオーラが物凄く伝わるのですが、わからないものはわかりません。
苦労５：心無い言葉
コート外からの観客に「審判しっかり見とけよ」とか「どこ見てんだよ」のような汚い言葉が飛んできます。こちらも慣れているので、いちいち気にしません。しかし、ひどい場合は観客でも退場処分にする場合があることをお忘れなく。
苦労６：立ち振る舞い
大会関係者に連絡を取るつもりで携帯電話を使用していたら「ロービングが携帯を触っていて試合を見ていない」とクレームがきました。そんな無茶な。笑
特にジュニア選手の試合は親御さんが見に来ているので、子供への接し方を間違えると、クレームが来ます。そのため、子供の目線に立ち、優しく接する事が大事なのです。
苦労７：正論が通じない
以前解説した通り、カウントのトラブルが起こった場合は「覚えているカウントに戻ったり、覚えているポイントを足す」ことがルールです。しかし、この説明をしても「そのルールは知っているけど、絶対に私のカウントの方が正しい！！」と納得しない方が続出です。
そのため、サーブを打つ前にはカウントを言ってほしいです。特に上級者と大人の方々。
アウトとカウント言わなすぎ問題は下記記事で述べています⇓⇓
やりがい
最後にポジティブな話で締めます。笑
選手同士のトラブルを解決できた時はやりがいにつながります。また、大会中に選手からルールについて質問されたり、プロを目指すような選手からもルールについて質問をよくされます。そのような方々に貢献できることがやりがいにつながります。
みなさんもルールの勉強してみてください。「こんなルールあるのか…」と必ず思います。
次回「私が経験した大会運営でのトラブル」
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