㊶2018年度のセルフジャッジルール改正問題 - テニスセルフジャッジ超解説

2018年度よりセルフジャッジのルールが大きく改正されました。今回はその総集編です。※ノットアップやオーバーネット編で解説した内容と重複している部分があります。

「ネット」「スルー」「タッチ」「ノットアップ」「ファウルショット」の判定権利は両プレーヤー

（ルールブック2019　62ページ参照）

ネット…サービスがネットに触れた後、レシーブ側に越えた時

※テニスコートにある網のネットではありません。判定としての「ネット」です。

スルー…打球がネットに空いた穴を通過した時

タッチ…ボールがラケットや身体に当たること。または、ラケットや身体がネットに当たること

ノットアップ…ツーバウンド

ファウルショット…故意の2度打ち。相手の打球がネットを越して来る前に打った（オーバーネットとして広く認知）

※ノットアップ、ファウルショット、ネットについては過去のブログで解説したので、まだお読みでない方は先にこちらをご覧ください。

それでは、ルール改正前と改正後について解説します。

判定権利は「自己申告制」

2018年度以前の場合、「ネット」「スルー」「タッチ」「ノットアップ」「ファウルショット」は自己申告制でした。例えば、対戦相手がノットアップをしても対戦相手自身が「ノットアップ」と言ってプレーを止めない限り、ノットアップはなかったことになるのです。

「両プレーヤーがコール・判定できる」

2018年度のルール改正により、「ネット」「スルー」「タッチ」「ノットアップ」「ファウルショット」は両プレーヤーが判定できます。コールだけでなく、判定ができます。

※ここからはロービングアンパイアとしての私の意見を述べます。ロービングによって判定が違う可能性もあります。

私がロービングならポイントのやり直しにします。

実は、これに関してはルールブックに記載されていないのです。

・両選手に判定権利がある「ノットアップ」で判定が食い違った

・互いに「自分が絶対に正しい」と譲らない

・ロービングアンパイアも見ていなかった

・判定が食い違った場合、どちらの判定を採用するかもルールブックに書いていない

・ルール上、コート外の観客に意見を聞くことができない

こういうケースはかなり起こります。

上記の状況になってしまうと、どちらの判定を採用するかのルールや基準がないのです。

しかし、ルールブックには「試合中のルール問題に対処する」ことがロービングの仕事であると記載されています。

「ルールブックに書いてないルールをどうやって対処しろと言うのだ…」（意味がわかりません）

というわけで、ロービングの私が導き出した答えが「ポイントのやり直し」になります。理由はそれしか選択肢が残っていないからです。

消去法により、レット（ポイントやり直し）しかないのです。

「ネット」「スルー」「タッチ」「ノットアップ」「ファウルショット」はポイント終了後の抗議が無効です。

そのため、プレーを直ぐに止めて、「ノットアップ」や「タッチ」などと主張する必要があります。例えば、ノットアップかどうか際どい場面があってもプレーを続けた場合は「ノットアップ」はなかったことになります。その場合、最終的にポイントを獲得した方のポイントです。

解説は以上になります。

大会運営側も非常に困るこのルール改正問題。2020年の最新ルールブックでは明確な記載があることを望みます。

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